2000年(平成12年)8月2日 水曜日
大分合同新聞 夕刊 より

明治期の貴重な産業文化財
SLを修復保存しよう
〜スポンサー2001人募集〜
 宇佐市南宇佐の宇佐神宮境内に、百年以上前のSL(蒸気機関車)の車体がそのままの形で残っている。近年痛みが激しくなっていることから、今世紀の貴重な産業文化財を二十一世紀に残そうと、同市内の有志が修復保存を計画。鉄道や文化財のファンらを「文化財スポンサー」として、県内外から広く募っている。
クラウス号
▲宇佐神宮境内に残る、ドイツ・クラウス社製の10形式蒸気機関車
現存、国内に3両だけ
実際の走行も検討
 この計画は、宇佐ライオンズクラブ(佐藤善次会長)が事務局となって進めている「走れクラウス号!2001人計画」。「2001」という数字は来年の西暦年のほか、修復費用や工場までの車体の輸送費、覆屋や展示開設の施設費などを見積した結果、一口5000円のスポンサー料で、1000万円以上を必要とすることも意味している。
 同神宮のSLはドイツ・クラウス社で1891年(明治24)年に造られた、10形式蒸気機関車という初期の小型SL。車体は長さ7.5メートル、幅2.5メートル、高さ3.6メートルで、重さは約18トン。同型の現存車両は、日本では岩手県遠野市などに3両だけ。「宇佐市の宝として、もっと見直されて良いのでは」との思いが、企画のきっかけになったという。
 国鉄になる以前の九州鉄道株式会社が1894年に購入した20両のなかの一台。博多―久留米間を走っていたが、機関車の大型化とともに第一線から退いた。戦後の1948年、当時の国鉄が大分交通に譲渡し、宇佐参宮鉄道(高田町(現豊後高田市)―宇佐八幡宮前、8.8キ
ロ)で”現役復帰”路線が廃止になる65年まで走りつづけた。
車体はその後、旧宇佐町に寄贈。74年に宇佐市の民俗有形文化財に指定された。
 佐参宮鉄道は、遠くは宮崎などからの参拝客の足として、大いににぎわっていたという。路線廃止まで、この機関車を実際に運転していた宇佐市南宇佐の東光男さん(68)は「蒸気の上がりや水回りなど、大正や昭和の機関車と比べて運転しやすかった」と修復保存の動きを見守っている。
 修復はさびや汚れの修復、腐食の進んだ鉄板の取り換え、製造当時に近づけての塗装など、歴史的資料価値を損なわない範囲にとどめる。募金の集まりが多くなれば、修復後、実際に走らせることも検討するという。

スポンサー希望者は、実行委員会事務局に問い合わせれば、振込用紙などを送る。問い合わせは〒872-0102、宇佐市大字南宇佐 宇佐ライオンズクラブ走れクラウス号!2001人計画実行委員会事務局
(TEL・FAX 0978-37-0981、
E-mail usalc@po.interweb.ne.jp)まで。

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